痛みを取る施術から、動きを研ぎ澄ます施術へ

本日は、ロードバイクを続けている患者さんがお越しになりました。
以前に比べると身体の状態はかなり良くなっており、今回は一度に3時間半ほど走っても、強い痛みは出ていませんでした。
来院の間隔が空いていたため、
「随分良くなりましたね。頼りがないのは、元気な証拠ですね」
とお話ししました。
治療院へ来る必要がなくなるほど調子が上がることは、施術者として、とても嬉しいことです。
ただし、今回は痛みではなく、右股関節のわずかな詰まり感がありました。
ペダルを引き上げて、踏み込みへ移る一瞬だけ、動きが滑らかにつながらない。
回転を速くすると、そのわずかな遅れが大きくなり、ペダルへ力が伝わるタイミングや、自転車の傾きにも影響していました。
一般的な日常生活では、気づかない程度の違和感です。
しかし、競技を続けている方にとっては、小さな動きのロスが、長時間の疲労やパフォーマンスの差につながります。
身体を確認すると、右の腸腰筋が短縮し、骨盤を外側へ逃がす動きが出ていました。
さらに、股関節の外側や臀部、太ももの筋肉にも硬さがありました。
硬い場所を一つ調整するたびに、脚を引き上げる動きを確認しました。
最初は鼠径部に詰まりがありました。
そこが取れると、次は外側。
さらに調整すると、最後に臀部の奥へ違和感が移りました。
一つずつ原因を確認しながら整えていくと、最後には、
「もう詰まりはありません」
「自分の意図したところへ脚を持っていけます」
という状態になりました。
痛みを取ることが必要な時期もあります。
そこを越えると、今度は動きの左右差を減らし、力を正しく伝えるための調整が必要になります。
不調を治す施術から、好きなことをより長く続けるための施術へ。
患者さんの目標によって、治療の役割も変わっていきます。
強い痛みがなくても、動きにくさやフォームの違和感がある場合は、身体のどこかで別の筋肉が動きを補っている可能性があります。
その小さな違和感を見つけ、身体が本来の動きを思い出せるようにすることも、私の大切な仕事です。

