【診断を受けた日に、すべてを決めなくてもいい】

本日は、股関節の専門医を受診し、「軟骨がほとんどなく、いつ手術をしてもよい状態」と説明を受けた患者さんがお越しになりました。
これまで長年、毎年レントゲンを撮りながら、「一生手術をしなくても大丈夫だと思う」と説明されていたそうです。
それが一年も経たないうちに、全く違う説明になりました。
痛みももちろんあります。
しかし、今日お話を聞いていて一番大きいと感じたのは、診断の内容に気持ちが追いついていないことでした。
手術をするのか。
温存するのか。
大好きなゴルフを続けてよいのか。
今後の生活をどう考えたらよいのか。
一度に多くのことを考えなければならなくなっていました。
私は、今日すべてを決めなくてもよいとお伝えしました。
画像診断は非常に重要です。
一方で、医師によって画像を見る角度や治療方針が異なることもあります。
これまで経過を診ていた医師にも改めて相談し、以前の画像と比較したうえで、見解を確認してもよいと思います。
複数の説明を聞いたうえで、ご本人が納得して選択することが大切です。
身体を確認すると、患者さんは痛い側へ体重を乗せることを無意識に避けていました。
「また痛くなるのではないか」という恐怖から、患側を浮かせるような歩き方になり、臀部の筋肉も働きにくくなっていました。
そこで、腰を持ち上げる運動ではなく、立った状態でお尻の筋肉を収縮させる練習を行いました。
数回繰り返すと、少しずつ足裏が床につくようになり、患側へ体重を乗せられるようになりました。
歩いていただくと、
「歩きやすい」
という言葉が出ました。
さらに、先日まで上げづらかった足も持ち上がり、靴下を履く動作や足の爪を切る姿勢もできるようになりました。
軟骨そのものを施術で元に戻すことはできません。
しかし、関節を支える筋肉を働かせ、負担のかかりにくい位置で歩けるようにすることはできます。
画像に写る状態と、今その方が持っている身体の機能。
どちらか一方だけではなく、両方を見ることが必要です。
診断を受けた日に、人生の楽しみまで全部諦める必要はありません。
手術をするかどうかも、ゴルフをどうするかも、今日結論を出さなくてよいのです。
まずは情報を整理する。
今できることを行う。
身体と気持ちの両方を確認しながら、一つずつ納得できる道を選んでいけばよいと思います。

